ミックススパイスを作る/その1
ミックススパイスはカリーの命。そしてインド料理の原点

 インドで「マサラ」とはミックススパイスのこと。用途によって様々なマサラがあり、カリーなど殆どのインド料理に使う「ガラムマサラ」、屋台で生まれたミックススパイス「チャート(屋台という意味)マサラ」、ミルクティーに使う「ティーマサラ」など挙げ始めたらきりがない。

 マサラは家庭によっても違い言わば「お袋の味」。また、地域によってもいろいろな種類がある。北インドのカリーでは「ガラムマサラ」を使い、南インドではターメリックやカレーリーフなどが入った「ホットマサラ」や「カリーパウダー」を使う。

 インド料理の基本はスパイスのブレンドである。腕のいいインド料理のコックになるには、まず、いい「マサルチ」(スパイスブレンダー)にならなくてはならないといわれている。ヒンドゥー語の「マサラ」には、「香りのある料理」という意味もあり、料理人の知識とセンスが問われるのである。
 
 ここでは代表的な5つのミックススパイスを紹介する。料理のたびに作るのが本来の姿だが、密封ビンに入れ冷蔵庫で保存するなら4〜6ヵ月使えるので、興味がある方は挑戦していただきたい。

 約15年来のレシピによるミックススパイス。左から北インドの「ガラムマサラ」、南インドで使われる「カリーパウダー」、北と南のいい部分を融合させた「州庵特製カリーパウダー」である。
 我輩の場合、カリーを仕込む1週間前にミックススパイスを作り、様々な料理で試してからカリーに使用している。ビンの表には日付入りのラベル、裏にはレシピのラベルを貼り、毎回、レシピを記録している。




ミックススパイスの作り方
ミックススパイスレシピはこちらです!
  
●州庵特製カリーパウダー●

 北インドの「ガラムマサラ」、南インドの「ホットマサラ」もしくは「カリーパウダー」をうまくクロスオーバーできないかと…15年かかり、ようやく出来上がったミックススパイスである。
 出来上がったと言いつつも、何時、改良されるか分からない。しかし、皆さんは、インド料理の基本中の基本である「ガラムマサラ」と「カリーパウダー」を作ってから挑戦すると、何故このように出来上がったのかが理解できると思う。
 先にも書いたが、私自身まだまだ「マサルチ」の修行中なのである。
 さて、今回のレシピは12種類のスパイスを使い、バランスのいい煮込み系マイルド派スパイスを目指す。
 ビギナーでも分かり易いように、実際、作っている様子を写真と共に紹介する。そんなに難しくはない。問題は、これだけのスパイスを集められるかだ。


上段の左から右、中段の左から右、下段の左から右へスパイスを紹介
●レッドチリ……………………………大10本
●ブラックペッパー ………………… 大さじ3
●ホワイトペッパー ………………… 大さじ3
●シナモン……………………………大7.5本
●ターメリック ………………………… 大6個
●ベイリーフ ………………………… 中20枚
●ナツメグ …………………………… 小3個
●コリアンダー……………・・・・・・……大さじ7
●マスタード (ホワイト) ……………… 大さじ3
●クローブ …………………………… 大さじ5
●クミン ……………………………… 大さじ5
●カーダモン(グリーン) ……………… 大さじ6
◆作り方◆
1/レシピの分量を片手鍋に入れ乾煎りする。
  ※ちなみにシナモンは挽き易い大きさに手で割り、ベイリ
    ーフは千切っておく。
2/焦げない程度で煙が上がり始めたら火から外し、鍋を
   濡れ雑巾の上に置いて粗熱を取り、スパイスが冷める
   のを待つ。


3/薬研でしっかり挽く。が…写真を撮影しているため片手
   となっている。両手でリズミカルに挽くのが薬研の本来
   の使い方。
   ところで、入れる量に注意しよう!入れすぎると溢れる
   は、飛ぶは…大変である。薬研を使う方はいないと思う
   が…(この作業はミキサーで行ってください)。


4/ナツメグとターメリックは下し金ですり下ろす。


5/乾いたミキサーに全部のスパイスを入れ、粉にする。
   ※ふるいにかけて、粒の粗いものは再びミキサーに
    かける。


6/乾いた空きビンにラベル(名称と日付、レシピを表示)を貼り、出来上がったミックススパイスを入れて完成。

 市販のカリーパウダーのような繊細な挽き方とは違い、ワイルドで香り高いミックススパイスだ。口の中に少々残る素朴な味わいは、現地の手作りスパイスそのもの。