図鑑・私のスパイス
料理の幅を広げるスパイスたち。少しずつ常備したら如何だろう

 さて、我がアトリエで常に置いてあるスパイスやハーブを紹介しよう。本当にこんなにあるのか?と思われるだろう。が、本当だ。今までの経験を基に、私のバイブルとなっている「インドスパイス料理(レヌ・アロラ著/柴田書店/1991)」「スパイス ブック(ジル・ノーマン著/山と渓谷社/1992)」などを参照としながら、私なりの解説をしていこう。
スパイスの素顔と履歴と性格

クミン●なぜか食欲が湧いてくる
北インドカリーや料理のスタータースパイスになくてはならないのがクミンだ。カリーなどインド料理を瞬間的にイメージする実にいい香りで、なぜか食欲が湧いてくる。切らしたことがないスパイスだ。
ヒンズー語でジェーラ、インドや北アフリカ、中近東、メキシコなどで様々な料理の風味づけに使われている。ちなみに、資料を集めていたら"欧米で出版されている東洋料理の本ではよくキャラウェイ(ヒメウイキョウ)と混同されているので注意!"と、面白いものがあった。
シード(種の状態)で売られ、即席ルーを作るときも、最初の油に小さじ1杯入れ、仕上げにガラムマサラを加えると、インドらしい風味の本格的なカリーになる。
マスタード●南インドのスタータースパイス
やはり、切らしたことがないスパイスである。北インドがクミンであれば、南インドはこのマスタードがスタータースパイスとなる。南インドで使うのはブラウンマスタードで、写真はホワイトマスタードだ。和辛子もその一種である。また、現在、希少なものとしてブラックマスタードがある。
カリー作りでは、クミンと同様に油を温める前に加えてから火をつけ、香りを油に移して使う。また、ピクルスのスパイスとして、ホワイトマスタードをブレンドして使用する。


ブラウンマスタード●ブラックマスタードと間違えられるスパイス
希少なブラックマスタードに似ているが、こちらの方が辛みが弱めだ。生産量ではブラックマスタードをしのいでいる。やはり、入手しにくいスパイスで、ブラックとブラウンの名がときどき混同されることがある。
ブラウンマスタードの種を噛むと、苦味の後に刺激のある辛みが口の中に広がり、ホワイトマスタードの最初はとても甘く感じ、その後、穏やかな辛さを感じるのとは異なる。
他のスパイスと根本的に違うのは、マスタードの種には殆ど香りがないことである。
レッドチリ●いちばん古い香辛料で何百種類もある。これは真田産
熱帯地方の全土でおよそ200種類、亜熱帯まで含めると数百種類のチリがあるという、昔から使われている馴染み深いスパイスだ。インド料理において辛さのために使うスパイスは、このレッドチリ(現地ではレッドペッパー)とブラックペッパーとグリーンチリの3種類に集約される。
 ここ数年、辛味成分のカプサイシンにスポットライトが当たっているのをご存知と思う。辛味成分はチリの種類で異なるが、成熟度によっても増減する。筋とタネを取り除いて、辛味を調整するが、私は、ほとんどしたことがない。


グリーンチリ●南蛮と呼ばれる唐辛子。これも真田産
北インドでは厳格なベジタリアンが多く、グリーンチリは常備菜の一つだ。日本の南蛮もこの仲間で、インドのものと比べると比較的、辛くない。








シナモン●京菓子八橋に使われているニッキ、漢方では桂皮
甘い料理にも辛い料理にも向いている有名なスパイスだ。15〜16世紀の大航海時代、探検家たちが探し求めた初期のスパイスの一つで、原産はスリランカ。クスノキ科の木の樹皮をスティック状に乾燥させ、粉末、精油もあり、お香や香玉、ポプリなどにもよく使われる。
インド家庭料理ではガラムマサラの主な材料のほか、ピラフなどにも使用する。




コリアンダー●味とトロミづけの立役者
インド家庭料理のスパイスの中で一番使用するのがコリアンダーだ。手元にあるものはアフリカ産で、ガラムマサラ、カリーパウダーを作るとき大量に使っている。香りはやさしく、煮込むほどとろみが出るスパイスなので、カリーを仕込むときは初期段階から使う。
地中海地方が原産で、現在では世界中で栽培され、紀元前16世紀の医学書や聖書にも登場するほど歴史ある香辛料だ。中近東では挽き肉料理やソーセージ、シチューなどに使われ、ヨーロッパやアメリカではピクルスやオーブン料理のスパイスとして人気がある。


サフラン●宝石のような香辛料。我がアトリエでは花を咲かせて収穫している
スペイン料理のパエリヤ、フランス料理のブイヤベース、イタリアではリゾット、イギリスにはサフランケーキなどもあり、よく知られている香辛料だ。最も高価なスパイスとしても有名で、カルダモンの50倍以上もの値がついている。
ユリに似た薄紫の花を咲かせ、一つの花から3本の糸状の雌しべを取って乾燥させる。125gのサフランとなると約2万本必要となる。我がアトリエでは、ホームセンターの園芸バーゲンのとき、球根30ヶを手に入れ花も楽しんでいる。バーゲンで3000円を切るぐらいだろう。うまくいけば90本ほどの雌しべが取れる。

カーダモン●気分が落ち着く香り。インドでは香り袋に使われている
世界で最も古いスパイスのひとつで、サフラン、バニラに続く高価な香辛料だ。インドではペパーをスパイスの王、また、カーダモンを女王と呼んでいる。
南インドからスリランカの標高1000m前後の熱帯雨林地域に育ち、グリーンカーダモンと漂白したホワイトカーダモン、亜種のビック(ブラウン)カーダモンがある。

ビックカーダモン●ブラウンカーダモンとも呼ばれる
これが亜種のビックカーダモンだ。ブラウンカーダモンとも呼ばれている。
甘い料理にも辛い料理にもよく合い、インド料理に使われるミックススパイスのガラムマサラ、カリーパウダー、また、プリン、アイスクリームなどのデザートに使われる。アラブ諸国ではカーダモンコーヒー、スカンジナビア半島の国々はケーキとパンに使っている。
ターメリック●ショウガの仲間でウコンといえば分かるはず
アジアでは薬用、染色、料理と広く用いられてきたもので、ショウガ科の植物の塊茎を煮沸、乾燥させ、皮を剥いた状態、または、粉末で売られている。やはり切らしたことがないスパイスだ。
味はピリッとした刺激と苦味があり、かすかな香りはオレンジとジンジャーの混じったような感じだろうか。
インド料理では黄色の色づけと味付けに使い、欧米ではバター、チーズ、リキュールの着色などに用いられる。



クローブ●丁子。インドネシアを旅するとこの香りが漂っている
インドネシアのマルク諸島原産の常緑低木で、花びらが開く直前の成長しきったつぼみを乾燥させたものだ。
古代中国の文献には、宮廷の廷臣や役人たちが皇帝に話しかけるときに使う「口臭消し」と記されていたらしい。また、欧米では昔からクローゼットの芳香剤としてクローブオレンジが有名だ。
ミックススパイスのガラムマサラとチャイ(ミルクティー)マサラを作るために常備している。作り置きのチャイマサラが切れたときは、ミルクパンにクローブ5〜6個とシナモン1本を紅茶の葉とともにミルクで煮込み、簡易チャイを楽しんでいる。
キャラウェイ●クミンと間違われるヒメウイキョウ
セリ科の植物で、原産地はアジアおよび北、中央ヨーロッパ。古くから使われ、紀元1世紀のローマの美食家アピシウスの著書に、キャラウェイで野菜料理の味付けをするとよいと記され、キャラウェイとオレガノ、ミント、蜂蜜、酢、ワインなどを使った魚料理のソースが解説されているという。
やわらかな味とほのかに苦い甘味があり、フルーツや野菜と一緒に使うとレモンのような味が出てくる。中央ヨーロッパやユダヤの料理では、パンやソーセージ、ザワークラウト、スープ、チーズなどの味付けによく使用される。


スターアニス●中国料理に欠かせない五香粉の材料、ハッカク
中国料理に使われる香辛料のひとつで、ミックススパイスの五香粉に欠かせないハッカクといったら分かるだろう。
中国南部とベトナムが原産のモクレン科の常緑低木の果実て、熟したものほど綺麗な八角形の星型になり、アニス(クミン、キャラウェイ、ディルなどの仲間)の甘味のある香りに似ているため、この名が付いた。
中国など原産地周辺以外ではあまり使われていなかったが、昨今、西欧のシェフの間で見直され、魚のシチューなどに使われる場合もあるという。


レモングラス●東南アジアではなくてはならないスパイス
東南アジア全土に生える長ネギのような背の高い植物で、根元がふっくらと丸みを帯び、葉をちぎって揉むとレモンのようなさわやかな香りがする。生や乾燥したもの、粉末などのレモングラスが売られている。
タイ料理のトムヤムクンなどでは、茎の根元の部分を使い、マレーシア、インドネシア料理になんともいえい独特の魅力的な味わいを加えている。紅茶とレモングラスをミルクで煮出した紅茶もなかなか美味しいので試されたら如何だろう。


ナツメグ●和名は肉豆(ニクズク)。中国では消化器疾患の漢方薬
マルク(モルッカ)諸島原産で、スリランカやマレーシア、西インド諸島で生産。ヒンズー語でジャイフル。高さ12mを超える常緑樹で落ちた実を収穫、乾燥した種がナツメグとなる。
中国やインド、アラブ諸国では消化器官のほか肝臓や皮膚の病気の薬に、また、メースと共に媚薬ともされていた。
シナモンに似た香りだが、シナモンの甘い香りより、少し苦味があり、大人向きの味付けができる。インド料理ではよく使われ、私はガラムマサラのレシピに加えている。アラブ諸国ではマトンやラムの料理に、ヨーロッパ、特にオランダでは、野菜から肉料理まで大活躍をしているという。
メース●ナツメグのレース状の皮を乾燥させたスパイス
ナツメグの種を取り囲む「仮種皮」と呼ばれるレース状のものを乾燥させたのがメースだ。
ナツメグと味も香りも似ているが、メースの方が上品な味わいがある。フレッシュで切れのいい、豊かな芳香は料理以外にも、香水や石鹸、シャンプーなどに使われるという。

ペパー●最も広く使われているスパイス、胡椒
世界で最も広く使われているスパイスで、昔の西洋では金1オンスとペパー1オンスが交換されたほど珍重されたという。南インドマラバル海岸の熱帯雨林の原産で、ツブツブの実がブドウのように連なって実る。また、亜種でロングペパーがある。
時期を変えて収穫することでブラックからピンクの4種類となり、ブラックペッパーよりホワイトペッパーの方が辛く、グリーンペッパーはさわやかな風味の辛味、多少甘味のある辛さがピンクペッパーだ。写真は各ペパーを自家製ブレンドしたミックスペパーだ。

カレーリーフ●インドでは多くの家庭で自家栽培されている
ヒマラヤ山麓、南インドおよびスリランカに原生する樹形の美しい木で、その葉を料理、なかでも特にベジタリアン料理に使う。
味は全くないが、叩くとカレーに似た、独特の香りがする。

粉末ジンジャー●おなじみ生姜
もっとも古くから重宝されているスパイスで、今からおよそ3000年も昔から熱帯アジアで栽培されてきた。古代にはインドや中国で珍重され、どちらかの国から世界各地へ広まったと考えられている。
体を暖める効果がよく知られ、我が国でも風邪をひくと「生姜湯」を飲み、料理では薬味や下味に使い、酢漬けにしたり、葉ショウガを食べるなど欠かせない材料だ。
アラブ諸国や欧米諸国ではほとんどドライジンジャーが使われている。英語で「ジンジャー・アップ」というと「元気が出る」という意味だ。
ディル●大西洋に面した国々でピクルスによく使われている
「なだめる」という古代バイキング語「ディラ」に由来し、気分を落ち着かせ、消化器系統の機能を助ける働きがある。西欧では古くから乳幼児の腹痛やしゃっくりを止めるのに使われてきた。中世には神秘的な薬として魔除けや恋薬などに使われ、また、一方で調味料としてピクルスなどに使用されてきた。スカンジナビア地方ではジャガイモやシーフード料理、ポーランドや旧ソ連の国々ではスープやシチュー、フランスではケーキやペストリーなどに使われている。
香りはキャラウェイに似て、辛く、わずかにピリッと鋭い刺激がある。種以外に葉(ディルウィード)と精油などがある。

セロリ●セロリの種だが、香りは生のセロリそのもの
よくご存知のセロリは、本来、海岸近くの沼地などに自生する植物だった。古くから薬用に使われていた。ローマ時代には、強烈な苦味をもつにもかかわらず、味付け用として使われ、葉は死者を弔う花輪にも利用されたようで、当時、不幸や死の象徴ともされていたという。
現在のセロリは、17世紀頃、南ヨーロッパ原産の野生種を、イタリアの庭師が苦味をやわらげるように改良したものだ。生のセロリ以外に、この写真の種(セロリシード)、その粉末、精油、塩にセロリの精油で味付けしたセロリソルトなどがある。

ベイリーフ●月桂樹の葉、ローレル
ご存知の月桂樹やローレルと呼ばれるベイの木は、クスノキ科の常緑樹。この葉を朝早く手で摘み取り、日陰でプレスしながら乾燥させてベイリーフとなる。
インド料理ではガラムマサラの主要なスパイスに使われ、それ自体は、おもてなし料理に、飾りとしてスパイスの形を見せるように使用する。





ミント●チャツネやヨーグルトに香りを生かし、ライタ(インド料理のサラダ)などにも
ペパーミントとスペアミントがよく出回っていて、ペパーミントはメンソールを多く含み刺激が強く、スペアミントは甘い香りで様々な料理に使われる。私のところではミントティーなどによく使う。
インド料理では、グリーンチャツネやペパーミントチャツネの材料として、フレッシュコリアンダーと共に欠かせないもので、また、ヨーグルトに混ぜたり、ミントのライタ(サラダ)などにも使用する。


オールスパイス●クローブ、ナツメグ、シナモンを混ぜたような香りと味
原産は西インド、中央および南アフリカで、ジャマイカ産のものが最良とされている。果実はオールスパイスベリーと呼ばれ、コロンブスによってヨーロッパに持ち込まれた。カリブ諸島でコロンブスが見つけた時にペパーと勘違し、学名はスペイン語でペパーを意味するピメンタという名が付いている。
心地よい芳香があり、名前の通りクローブ、シナモン、ナツメグ、メースを混ぜたような香りで、ピリッとした味がある。カレーに使う国はジャマイカで、スープやシチューなどにも使われる。

オレガノ●その名は"山の喜び"という意味のギリシャ語に由来する
原産地は地中海東部、欧州中南部でシソ科のスパイス。シソ科には様々なスパイスがあるが特に香りが強く、肉や魚の臭いを消し、また、トマトやチーズと相性がよい。ピザやスパゲッティに使われることが多く、ヨーロッパでも特に地中海料理にしばしば登場する。
メキシコ料理のブレンドスパイス「チリパウダー」でも欠かせないスパイスだ。
我がアトリエでは、オムレツやドレッシングに少々加えて、さわやかな香りを楽しんだり、肉や魚のソテーなどに使い、それなりの一品に変身させている。
セージ●中世のイギリスの諺「長生きしたい者は5月にセージを食べよ」
やはりシソ科のスパイスで、原産地は南欧。14世紀以後にイギリスに伝わり、スパイスとして使われるのは、花を開かない肉厚の広い葉を持つセージである。香りが強く、加熱にも強いので香りや風味が失われない。古くから豚や鴨など脂の多い肉料理の臭い消しとして使われてきた。
イタリア・ローマの名物料理の「サルティン・ボッカ」に使われ、パスタ料理、子牛のレバーのソテーなどの肉料理にもよく使用される。ハンバーグや自家製ソーセージ等の挽き肉料理に使われていると思う。キャベツ、カリフラワー、コーンなどの温野菜料理や豆のスープなどにも相性が良い。
タイム●ご存知、魚介類に合う代表的な料理用ハーブ
葉は小さく薄紫色や白い花をつけ、特有の爽やかな芳香を漂わせるシソ科の多年草だ。
古代ギリシャでは「勇気」のシンボルとされ、中世の貴婦人達は戦いに出る騎士にタイムの小枝を刺繍したものを渡し、見送った―と有名な言い伝えがある。
ヨーロッパ、特に地中海地方では欠かせないハーブで、肉類や魚介類の臭みを消すのに最適なため、ハムやソーセージなどの加工食品の分野、また、煮込み料理、ロースト、ヴィネガーやオリーブオイルの香味付け、ハーブティなどだけでなく、芳香剤・入浴剤としても幅広く使われている。
ローズマリー●フランス料理・イタリア料理などの肉料理の香味づけによく使われる
化粧水のルーツといわれるハンガリー・ウォーターの材料で、若返りのハーブといわれている。料理用スパイスとしてはもちろん、血液循環を良くし、肝臓や胆嚢にもやさしく、ハーブティとしても楽しめる。
香りの強い精油分を含み、加熱しても香りが持続するので、料理では香りがつきすぎないよう注意し、香りを移した後、とがった葉を取り除くことを忘れないように。
羊や子羊肉のローストやシチュー、肉、野鳥獣など臭味のある材料の詰め物に香りづけとして最適である。

バジル●ピザやパスタなどのイタリア料理には欠かせない
バジルの葉は、トマト料理と抜群に相性が良い。特にイタリア料理ではバジルを重宝し、ピザソース、ソーセージ、ドレッシングなど、様々な形でバジルを使う。バジルは、日本食に青ジソを使うような感覚で料理に使えるので、フレッシュの状態、また、乾燥させてオムレツ、シチュー、スープなどに用いる。
日本名をメボウキというが、江戸時代に漢方薬として渡来した。種子が水を吸うと、表面がゼリー状に膨張することから、目に入ったごみを洗うのに用いられていた。

セサミ●胡麻。紀元前9世紀頃、油をとるために育てられた最初の植物
アジアとアフリカでは古くから栽培され、不揮発性の油が50%も含まれている。熱を加えても、風味が落ちることはなく、中国では2000年も前から料理に使われていた。薬用としては、紀元前16世紀中ごろの医学書『エーベル・パピルス』に記録が残り、トルコ東部の遺跡から紀元前10〜8世紀のゴマ油が見つかっている。
マルコ・ポーロが『東方見聞録』で紹介し、17〜18世紀になるとアフリカからの奴隷と一緒にアメリカへ運び込まれた。
私のカリー・レシピでは、ゴマをすり潰し風味ととろみ付けに使うことがある。
ポピー●ケシの種。アンパンのへその粒がこれ
ケシというと阿片の原料をすぐイメージする。古くから、この阿片と種を得るために栽培し、クレタ島には、紀元前15世紀のポピーの女神像が存在する。種には麻薬効果の成分がなく、スパイスとして料理に使われてきた。ローマ時代の記録には、このポピーと蜂蜜を混ぜたデザートが、上流階級で流行ったと残っている。東地中海から中央アジアにかけてが原産地で、主要産地はインド、中国、イラン、トルコ、フランス、オランダおよびカナダだ。
ほのかに快く香ばしい芳香があり、味は香りを少し強くした感じで、甘味もある。インド料理では他のスパイスと共に挽き、ペーストにして、肉や魚料理のソースに用い、とろみをつけるのに使っている。
ヒマラヤ岩塩●インドではブラックソルトと呼ばれている
インドでは、古来より伝承医学の聖典「アーユルベーダ」に紹介され、インド料理のスパイスとして欠かせない。一般家庭には、天日塩、白いロックソルト、ブラックソルトの3種が必ずあり、ブラックソルトがヒマラヤ岩塩だ。ミックススパイスのマサラにも入れられ、ネパールの王宮料理では隠し味として使用されている。
ミネラル成分が豊富なため、自然食材として注目され、最近では、療養泉(治療用)として入浴剤などに使われている。