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沢川・滝の入沢/真田町・四阿山の群馬県境            No,002 2004/06/05
 真田町を貫く国道144号線を北進すると、菅平口という信号で国道406号線(菅平を抜け須坂市へ向かう国道)と分岐する。そのまま144号線を北上すると渋沢という集落に入り、鳥居峠を抜けると群馬県吾妻(あがつま)郡嬬恋村へと通ずる。
 鳥居峠は標高1362mのところにあり、江戸時代の大笹街道の峠だ。大笹街道は、北国西街道福島宿を起点とし、仁礼(須坂市)を経て、上信国境鳥居峠を越え群馬県嬬恋村大笹へ至り、群馬県側では「仁礼街道」と呼ぶ。北信濃の種油が大量輸送されたことから油(あぶら)峠とも呼ばれた。日本百名山の四阿山の遥拝所があり、鳥居が設けられたことからその名がつけられた。真田氏軍用道路で、巨岩奇岩が点在する。
 四阿山(標高2354m)は、真田町、須坂市、群馬県嬬恋村にまたがる名峰で、山頂には養老年間(717〜724年)に勧請されたと伝えられる山家神社の奥宮がまつられている。この付近から流れ出る水は、御手洗(みたらし)の水と呼ばれ、水分(みくまり)の神の宿る神聖な川として古くから大切にされてきた。
滝の入沢の清流
知られざる名水で点てた一杯
の入沢の水を楽しむ
 数年前の6月、四阿山の山開きの取材で登ったことがある。頂上付近の山陰には残雪がのこり、山の保水力の高さを実感した。山の雪解け水は、伏流水になって山麓をゆっくりと下り、豊かな自然環境を育む。その美しい水は、菅平湿原の菅平川、唐沢、大明神沢、中之沢、そして滝の入沢、渋沢川となり、神川の清流を形成して上田市の国分で千曲川と合流する。実はこの沢の水は上田市域の水道の源なのだ。酒造りにも使われる知られざる名水で、年間降水量の少ない上田周辺を潤してきた。
 渋沢という長閑な集落は、大笹街道の宿場機能を持っていたという。大正時代、開拓によって広がり、急斜面に張り付くように家が佇んでいる。ゆっくりと上っていくと、集落の中央付近に明治期の古民家。なかなか趣があり、売りに出されている。近年、赤湯の渋沢温泉が掘られ、近くの農家が産直市場を開き、夏のシーズンには、みずみずしい野菜を求めて、上田や群馬から沢山の行楽客がやってくるという。
 集落の鳥居峠側の出口を四阿山温泉方面に左へ入ると、まっさらな砂防堰堤が見える。右脇に林道があり、しばらく走ると、お気に入りの野点の場所がある。
 説明が不要なほど美味い水なのである。早速、水を汲んで珈琲を野点する。ここの水は珈琲を選ばない。高原の空気のように澄み切った水が、珈琲を丸くし、香り高い一杯にした。菅平口の近くのおやき屋で、おやきを手に入れてきた。高原の風を楽しみながら野点珈琲タイムだ。





渋沢という集落から林道を上り、標高1350m付近
沢の集落周辺を散策し、滝の入沢へと向かう
この周辺は、「滝の入水源
の森」として整備され
広葉樹が植えてある
早速、水をいただく。
ここの水は美味い
林道が一番美しい季節だ
明治期の巨大な古民家が
売りに出されていた
いい香りが立ち上がる
元で見つけた美味しい菓子

おやきを菓子といったら語弊があるが、餡入りはお茶うけにいい。



左から、ヨモギ皮の粒餡入り、ニラ味噌、そば粉入り皮の野沢菜味噌
のおやき。おやき屋「なかざわ」は、さまざまな種類があり、1つ90円。
みたらし団子や五平餅、蕎麦、うどんも楽しめるファンの多い店だ

真田町・渋沢
  滝の入沢

アクセス
●上信越自動車道・上田菅平インターから国道
  144号を北上、鳥居峠方面へ
●長野新幹線・上田駅下車、上渋沢行きバスに
  乗り換え

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菅平口の二股。右へ登ると渋沢だ
広い駐車場がある
おやき屋「なかざわ」
日帰り温泉の「渋沢温泉」は赤湯
四阿山温泉へのサインは
渋沢集落の群馬側にある
四阿山温泉方面へ左に曲がると
すぐ林道入口。写真右隅
まっさらな砂防堰堤の右脇を登る
野点珈琲道家元
州庵の「信州”水”紀行」