2006/01/09

●日本酒 「翠露 超辛吟醸 山田錦」

舞姫酒造(長野県諏訪市)


山田錦
精米歩合55%




 昨年、12月の寒ぶり解体ワークショップ&酒宴で、閑ぶりを解体してくれたM井シェフが差し入れてくれた一本だ。M井シェフという呑み助がセレクトした一本、栓を空けるのが楽しみだ。
 ちなみに、差し入れていただいた方を勘違いし、1ケ月ほど間違った内容で掲載していた。我がアトリエの酒宴は、うれしいことに沢山、酒が集まる。おっちょこちょいの我輩は、準備やら段取りやらに気がとられ、また、かなり酔っ払ったためか、間違えてしまった。ここに訂正します。M井シェフ、笑って許して…。
 「翠露」は、霧ヶ峰の伏流水を用い、きめ細かでソフトな飲み口と芳醇な香りを持つ酒で、舞姫酒造が限定された酒販店のみで販売するために醸し出している銘柄だ。甘口でもなければ辛口でもない、甘・酸・渋・辛・苦の五味が程良く、女性的に調和した旨口の酒であることは、ここのホームページに来られる皆様はご存知のはず。
 さて、この翠露・超辛吟醸・山田錦は超辛口と名高いが、ここまでくると女性的なバランスの酒も、実にきれいなものとなる。翠露ファンは、もとからきれいな酒と主張するが、我輩のような酒飲みには、きれいというより柳腰的と感じてしまう。しかしながら、この一本は全国区において、きれいな酒と称される長野県千曲市の酒、天法をイメージさせるのである。ちなみに、寒ぶり尽くしの酒宴にピッタリであった。そうそう、寒ぶりイベントの概要報告は、もう少々お待ちいただきたい。

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2005/12/18

●日本酒 「小樽めぐり 超新鮮ふなくち酒 純米吟醸」

田中酒造本店(北海道小樽市色内)


空育酒170号(北海道産酒造好適米)
精米歩合60%




 先月12日の夕方、突然、携帯電話に懐かしい男から連絡が入った。北海道小樽で医者として激務をこなしている幼馴染のY.K君(甘辛日記2004年04月11日参照)だ。いつも突然、風のように現れる彼は、東京で開かれている学会に出張中、彼の弟に娘が生まれ、そのお祝いに帰ってきたという。「上田に帰った以上、お前と会いたいから…」と、嬉しいことを言いながら、この酒を持ってきた。何やら、買ったときに「賞味期限が近いから、必ずその期間中に味わって…」と言われたらしい。
 さて、その酒が小樽の老舗、田中酒造が醸す「小樽めぐり 超新鮮ふなくち酒 純米吟醸」だ。インターネットで調べてみると、明治32年に創業し100年以上の歴史を持つ酒蔵で、現在、当主は4代目。創業者の遺志を継ぎながら、常に新しい商品開発に取り組んでいるという。
 酒の味の方はというと、槽口独特の香り高く、骨太というイメージから想像が出来ないほどフルーティーで、とにかく切れが良い。口の中にひろがる新米の風味と、微量な炭酸ガスがバランスよく仕上がっている。目からウロコのビックリ槽口で実に旨い。3000円台半ばという価格を見て、これまたビックリ。造り酒屋が蔵出しする以外、手に入れる事ができない、大変貴重なお酒とあり、おいおい凄い酒じゃない。Y.K君、本当にありがとう。

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2005/11/01

●日本酒 「谷桜 味吟醸」

谷桜酒造(山梨県北杜市大泉町)


美山錦
精米歩合53%




 山梨の呑み仲間、F澤氏から秋の味覚と共に送られてきた一本である。F澤氏の話では、代々、この谷桜を愛飲しているという。
 創業は嘉永元年(1848年)、日本の名水百選の代表的な泉として有名な八ヶ岳の湧き水「大湧水」を使い、伝統の技と日本酒本来の精神を手造りで頑なに守り続けている酒蔵という。早くから手がけてきた吟醸酒や生酒は、首都圏でも人気を集めているようだ。インターネットで調べてみると、長年、生もと造りを研究しているようで、本醸生もと「桜守」、純米生もと「櫻舞」の評価が高いようだ。
 さて、一緒に送られてきたF澤氏作のぐい呑みで楽しむとする。品のある香り、奥行のある味と米の旨み、実にバランスの良い酒だ。「味吟醸」というラベルが気になっていたが、「味=旨み」なのである。全般にスッキリしたのどごしの淡麗タイプの酒が醸されて久しい時代、腰の強い酒に出会うのは、私のような日本酒ファンには魅力である。
 F澤氏に大感謝である。と、書きながらも、図々しく来年のリクエストを…。本醸生もと「桜守」、もしくは純米生もと「櫻舞」を呑んでみたいのですが…(笑)。

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2005/10/17

●日本酒 「亀齢純米吟醸 綏酔(すいすい)」

岡崎酒造(長野県上田市)


長野県美山錦
精米歩合59%





 岡崎酒造の酒を紹介するのは3回目だろうか。伝統と技の品格を備えた酒蔵として上田周辺では定評があり、この綏酔(すいすい)は一押しの酒である。アンティークカメラ・ライカを貸していたT女史からのお礼で頂いた。
 蔵元からのみの限定販売で、一本一本、通し番号のついた限定品だ。口当たりがやわらかで、さらりとした飲みごこちながらも、米の旨みが豊かなのである。

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2005/09/22

●日本酒 「信濃錦 純米吟醸 ひやおろし」

宮島酒店(長野県伊那市)


長野県高遠町美義産・美山錦
精米歩合 麹49% 掛米49%






 秋、酒飲みには嬉しい季節。味覚の秋であり、「ひやおろし」が楽しめるシーズンなのだ。「ひやおろし」とは、冬から春の時期に搾った酒を一度火入れしてタンクで保管し、蔵人の長い夏休みの間にゆっくりと熟成した酒だ。夏が過ぎ去る頃に、タンクから直接瓶詰めされ発売となる。特徴は、二度目の火入れがされない生詰酒ということと、半年程度熟成された丸みを帯びた味わいの2点だろうか。
 この宮島酒店は2005/02/04に紹介した「天墜」を醸す酒蔵で、結構気に入っている蔵元のひとつ。
 さて、味わってみる。品のいい香り、滑らかな口当たりで、まろやかな旨みがやさしく、心地よく広がる。そして、切れがいい。アルプス酵母を使っているのも頷けるバランス。なかなかの仕上がりとなっている。

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2005/09/15

●日本酒 「弘前大学・純米吟醸」

発売元・弘前大学生活協同組合
醸造元・三浦酒造(青森県弘前市)


弘前大学生命科学部金木農場産・豊盃米
精米歩合55%




 ラベルを見て驚く方もいるだろう。以前から大学名の入った日本酒は、他の大学でもあったが、大学の農場で取れた米を100%使っている日本酒は日本初だと思う。弘前大学にいる父の弟子から、数本贈られてきたようで、豊盃米100%が気になりもらってきた。
 今年の4月、国立大学法人化に伴い、各地の国立大学では魅力あふれる大学づくりに励み、様々な事業企画を立ち上げ実施している。これらの動きには大学生協も一役買い、学内外にアピールする事業が進められているのはご存知だろう。
 弘前大学では弘大生協とタイアップしてオリジナルグッズを開発。これまでライターやペン、Tシャツ、タオル、クリアホルダー、また、今年一月からは、弘大藤崎農場産の紅玉を使ったリンゴジャムも販売している。そして、昨年、地元酒蔵の三浦酒造の協力を得て、生命科学部金木農場産・豊盃米を100%使い、限定2000本造ったのが「純米吟醸・弘前大学」なのである。今年から生協が酒類販売免許を取得、弘大文京キャンパスの大学会館内パンショップで、1575円で販売している。ご覧の通り、ラベルの真ん中に弘大の校章が配置され、人気を集めているようで、受験生や卒業生、新入生の保護者らが記念に買い求めているという。
 さて、気になる味なのだが…、品のある純米吟醸らしい香り、やや辛口でコメの芳純なうまみが広がる。スルスルスルっと喉を流れ切れが良い。美山錦などの優等生的な丸いバランスではなく、実直な米の旨みという感じが実に素晴らしい。ほぅ、これは旨い。学内の祝賀会などに出され、教職員から「美味」と絶賛だったらしい。納得できる。取り寄せしたくなる価値のある1本だ。

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2005/08/31

●日本酒 「喜久酔 松下米 50 純米吟醸」

青島酒造株式会社(静岡県藤枝市上青島)


松下明弘栽培・山田錦
精米歩合50%




 若き呑み仲間の某民放勤務のK女史から頂いた酒である。彼女の話では、姉上が東京で利き酒師をしているようで、まだスポットライトが当たっていない地酒を世に出し、真っ当な日本酒文化を復興させたいと、日々、活動しているという。さらに、その姉上は酒は良い米からという信念があるようで、我輩のようなどちらかというと頑固な酒呑みには、実に嬉しい話なのである。
 さて、静岡県藤枝市の青島酒造株式会社が醸しだす喜久酔。日本酒を愛する方ならこの酒はご存知のはず。その昔、グルメマンガ「おいしんぼ/日本酒の巻」で特別本醸造が紹介され、全ての品が売切れてしまった酒蔵だ。しかし、昔ながらの実直な酒蔵。大衆化を嫌って、酒質の安定を優先。特別本醸造をそのまましばらく品切れにして、出荷管理と取引先を厳選した話は有名だ。が、逆にこの姿勢が喜久酔ファンを増加させてしまったのである。藤枝という地域は、南アルプス伏流水大の井川水系の仕込み水を使い、静岡らしさを追求した静岡酵母を開発するなど、古くから蔵元同士で切磋琢磨しているところだ。
 その中で、特に、米へのこだわりを持っているのが青島酒造ではないだろうか。
 酒の銘を見ても分かると思うが、「喜久酔 松下米 50」は、松下明弘氏が無農薬有機肥料で栽培した山田錦を使い醸した酒ということ。米の生産者名を銘とするからには、松下氏の米の旨みが凝縮されていなければならない。
 さて、期待を膨らませながら栓を空ける。口に運ぶと、品の良いほのかな香りが広がり、やわらかく口当たりがやさしい。同時に、米の旨みが口のなかに膨らむのだが、実にキレが良い酒なのだ。うぅ〜ん… 旨い… と、6月頃に頂いた一本を大事に大事に呑んできたが、たった今、空いてしまった。寂しい!
 ここ数年、「酒は米だ」と追求してきたが、流石である。K女史と姉上に感謝申し上げる。

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2005/07/13

●日本酒 「源水仕込み 特別栽培米・超辛口純米酒 谷川岳」

永井酒造株式会社(群馬県利根川郡川場村)


地元産五百万石
精米歩合60%





 先日、呑み仲間のH場氏が群馬温泉巡りの土産としてもってきた一本だ。いつもなら我輩も一緒に温泉巡りをするのだが、この日は朝からバタバタで行けなかった。
 さて、ラベルには「超辛口」とある。が、超辛口という酒ほど「水っぽくなる」というのが我輩の経験上の法則…。上方の佃煮と京都の漬物などいつもの肴を用意し、一口目、「ほぅ意外とバランスがいい」、三口目、「何か物足りないなぁ…」。
 H場氏との合評は「水のように飲み口もよく、どんな肴にもあう酒」となり、「やはり超辛口である」と我輩が締めくくった。

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2005/07/05

●日本酒 「佐久の花 熟成山廃 本醸造」

佐久の花酒造(長野県佐久市)


美山錦
精米歩合60%





 近年、仕上がりの良さには驚くのがこの酒蔵だ。ここ数ヶ月、私の定番となっている。
 美山錦の旨味を見事に引き出し、香りよく、酸味のバランスも文句なし。一年間熟成させたこの酒は、山廃仕込ながらも燗をしても呑みごたえがある。さらに嬉しいのは、ここまで仕上がりがいいのに、2000円を切るという見事なコストパフォーマンス。
 山廃仕込ファンの私をうならせる1本である。

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2005/07/01

●日本酒 「水尾 特別純米酒 金紋錦仕込み」

田中屋酒造店(長野県飯山市)


使用米 金紋錦100%
精米歩合59%




 まず皆さんに誤解を与えないように宣言したい。私は水尾の回し者でもなく、熱狂的なファンでもない(また宣言してしまった)。単に日本酒ファンの一人である…と、前置きしておいて、「待ってました!」と言うべきか、長野県木島平村産「金紋錦」を100%使用した特別純米酒の登場である。
 「旨い」の一言。冷で呑むときの独特な深みとふくらみ、また、燗のときの厚みある味わい…金紋錦の懐の深さが楽しめるのである。自信を持ってお勧めする酒の一本だろう。酒米に最適だった希少な金紋錦を復活させ、その旨さを引き出した水尾に拍手を送りたい。
 しかしながら、少々、いただけないこともある。特別純米熟成生酒「香雪」、純米吟醸無濾過生原酒「紅」など、販売価格が高めの酒から金紋錦を使い始めたことだ。販売戦略というか、商品企画のラインナップの順序が逆ではないか。もともとハイグレードな造りの酒に使うのでなく、これだけの米なら、一般的な造りの酒から使って売出し、幅広く消費者に認識させるべきではなかったか。

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2005/06/30

●日本酒 「瀧澤 純米古づくり」

信州銘醸株式会社(長野県小県郡丸子町)


使用米 美山錦100%
精米歩合 麹米59% 掛米65%




 来春、上田市と合併する丸子町に信州銘醸株式会社がある。酒造りの歴史は江戸の後期に始まり、町内四蔵元がひとつになり昭和33年設立した。千曲川の支流、清冽で豊かな水をたたえて流れる依田川のほとりに佇む酒蔵は、"喜久盛"などで古くから地元に愛されている。
 ここ数年、いくつかの雑誌でスポットライトが当たり、関東を中心に密かな話題を集めているのが「瀧澤」だ。"瀧澤吊しぼり"は、全国新酒鑑評会で優秀な成績を得ている。
 そんな知識を持ちながら…ある酒店の店内をうろうろしていると、「古づくり」というラベルが目に入る。「何ぞや?」と、思いながら一応呑んでみようかと入手。呑んだ感想は、価格から考えればバランスのいい酒といえるが、昔ながらの普通の酒とでもいうべきか…、燗が似合うと思われる。日本酒も何でもありの状態で、そして、燗酒など様々なブームが起こるこのご時世、昔ながらの普通の酒が、全国にいる自称・日本酒愛好家たちの「郷愁の味」なのかもしれない。

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2005/05/19

●日本酒 「水尾 純米吟醸無濾過生原酒 紅 (金紋錦)」

田中屋酒造店(長野県飯山市)


使用米 金紋錦100%
精米歩合49%



 楽しみにしていたリニューアルされた「紅」のレポートである。ここのところ何故か水尾が多くなっているが、決して水尾の回し者ではないので誤解なさらずに。
 前回、紹介したとおり「紅」は、大吟醸と同じ仕込みで醸された無濾過生原酒で、美山錦から長野県木島平産の金紋錦に変更された。金紋錦という米は、一昨年、水尾の特別純米熟成生酒「香雪」で味わい、かなり気にしている米なのだ。
 さて、味はというと、想像したとおり実に旨い酒になっている。ふわっとした香りは存在感あるものになり、やや辛口でありながら重厚な呑み応えだ。美山錦や山田錦のような八方美人的な旨さとは違う、厚みのある米の風味、独特の奥行きと酸味が心地よい旨みに驚く。やはり、「旨い」の一言である。こだわりの季節の肴で楽しみたい一本だ。自信を持って、呑み仲間たちにお勧めする。

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2005/05/19

●日本酒 「北の勝 搾りたて」

碓氷勝三郎商店(北海道根室市)


使用米 地元一般米?
精米歩合?



 この「搾りたて」、インドカリー酒宴ワークショップ時に、楽しんだ酒だ。年一回、発売される薄濁りの搾り立て生酒である。
 北の勝は今から百有余年前、明治二十年九月、北海道根室市で誕生した由緒ある銘柄だ。自然に恵まれた環境に加え、酒造りの基本に徹した伝統技術で、芳醇にしてデリケートな味わいを生み出している。
 味はニュートラルで素直、癖がなく喉越しがいい。辛くもなく甘くもなく、スッキリキリッとしている。なかなか旨いので冷蔵庫にキープしてチビチビ楽しんでいた。
 尚、本州では販売していないとのこと。根室市内の酒屋、札幌では丸井・西武等の百貨店で入手可能、どうしても手に入れたい場合は、根室の酒屋に注文して発送してもらうこと。限定品は少数生産でかなりレアらしい。根室市まで呑みに行くのも一つの手だ。

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2005/05/18

●日本酒 「水尾 大吟醸 小吟」

田中屋酒造店(長野県飯山市)


使用米 山田錦100%
精米歩合39%




 ある日、地元の酒店で試飲させていただいた一本である。女性を意識した商品で、大吟醸を低アルコールに押さえ、小瓶に詰めたというもの。一口味わうと、確かに大吟醸の華やかな香りと味の奥行きがある。しかし、13度という低アルコールのため、非常に中途半端なバランスに感じてしまう。
 パンフレットには「料理に合わせやすいように低アルコールにした」とあるが、正直、「何を考えているんだ」と思うような企画の酒と感じるのは私だけか。一時、女性を意識した低アルコール企画が一世を風靡した。しかし、女性に媚びるような商品を出すのは、斜陽気味の酒蔵であると私は思っている。真っ当な酒を世に出し、男女関係なく日本酒のよさを知らしめることが基本のはずで、このようなことをやっているから焼酎に押されてしまうのである。
 水尾ほどの酒を醸す田中屋酒造店がやるような企画なのか…。水尾のラインナップには、時々、不思議な企画が出てくるような気がする。

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2005/04/07

●日本酒 「特別純米酒 槽汲み(ふなくみ)」

杜の蔵(福岡県三潴郡三潴町)
詰口立会人/ワインと全国地酒の店 あらき(熊本県城南町)


使用米 地元一般米?
精米歩合60%



 我輩が大阪で企画・写真事務所として独立して以来の呑み仲間、長崎在住のN尾清寛氏が、こちらから送ったカリーの御礼としていただいた一本だ。第2回居酒屋紀行「和来路(2005-01-18)」に登場する建築家で、15程前、我輩のインドカリー作りに付き合い、黎明期の味を知っている唯一の人物である。全国各地に出張して大いに仕事し、大いに呑み食い歩いた仲である。
 さて、酒の味の方はというと、槽口は香り高く骨太なのは当たり前だなのだが、キレが実にいい。アルコールは17.5度と高め。低温発酵で、ガスを含んだままの美味しさをそのまま閉じ込めているので、口に運ぶと舌の上でチリチリはじけるが、このキレのよさは炭酸ガスの刺激とは別のものだ。キレと品のある味の向こうから、たっぷりとした旨みがやってくる感じで、渋さが心地よく爽快な喉越し。旨い。季節限定らしく、しばらくこの酒にはまりそうである。1500円台というコストパフォーマンスも素晴らしい。このような旨いふつうの酒と出会うと、水や米、造りをこだわる高い酒とは何なのか?と考え込んでしまう。造り酒屋・杜の蔵の基本的な姿勢が自然体なのが良いのか…。それとも、焼酎圏の造り酒屋だからなのだろうか…。
 この酒を企画している「ワインと全国地酒の店 あらき(熊本県城南町)」は、以前、N尾清寛氏から聞いていたが、ホームページを覗いてみた。食の造詣が深い主人のようで、なかなか面白そうな店だ。

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2005/04/04

●日本酒 「大吟醸 道後蔵酒」

水口酒造(愛媛県松山市)


使用米 山田錦
精米歩合35%


 インドカリー酒宴ワークショップで、我が四国の呑み仲間のI上賢二氏が送ってきて、ワークショップ参加者と楽しんだ。栓を開けたときの香りが上品で素晴らしく、バランスの取れた、まろやかで豊かな味わい…実に美味しかった。この味と香りを嫌う者はいないだろうという完成度だ。あっという間に空になったといえば分かるだろう。
 さて、この酒蔵のホームページを見てみた。伊予産の酒米、四国で有名な名水・熱田津の水を使っているというから納得。以前、松山に住んでいたが、宇和島あたりの米が美味いのに驚いたことがある。また、地ビール、フィズ、化粧水など精力的に展開している酒蔵のようだ。

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2005/03/12

●日本酒 「水尾 特別純米熟成生酒 香雪」

田中屋酒造店(長野県飯山市)


[平成16年]
使用米 美山錦100%
精米歩合59%

酒米の変更と共にラベルも新しくなった

[平成15年]
使用米 金紋錦85% 美山錦15%
精米歩合59%

昨年の「香雪」

 水尾の一般的なイメージは、野沢温泉水尾山の湧水を使って仕上げた酒で、すっきりとした飲み口、どんな料理とも相性がいい…という感じだろう。ちなみに、私は骨っぽく力強い酒が好みなので、水尾とは一定の距離を置いてきた。しかし、晩酌日記オープン当初に書いた大吟醸「一年熟成」、また、先日紹介した純米吟醸無濾過生原酒 「紅」などは私好みのラインナップに入れ、ある意味、水尾の企画力と商品構成をチェックしてきた。
 水尾を見る目からうろこを落とし始めたのが、この「香雪」だ。特に驚いたのは、昨年呑んだ香雪の酒米に、長野県木島平産の金紋錦を85%使用していたこと。純米生酒を半年冷温熟成し、淡白な香りを出す7号酵母のみを使用した生原酒で、純米酒独特の酸味が程よくとけ込み、金紋錦の品のある風味が生かされ、まろやかな味わいながらどっしりとした酒なのだ。実に良くできている。が、淡白できれいな酒の時代、好みが分かれるかもしれない。
 さて、今年の香雪は美山錦100%に変更された。こちらも悪くはないのだが、金紋錦がもつ独特の奥行きのある米の風味とは違い、「想像の範囲」に位置する酒となったのではないか。水尾の企画が一歩後退したのか…。と思う中、金紋錦を使った純米吟醸無濾過生原酒「紅」が登場した。無濾過生原酒、すなわち「ふな口」は雑な言い方をすると、酒米は何でも旨くなるのである。米が持つ特色ある風味を引き出すには、熟成という方法がいい場合が多いのではないか?と考えるのだが…。
 信州は南北に広い。地域によっていろいろな酒米が出てくるはずだ。が、ここ数年、ブームといえるほどの美山錦や山田錦の酒に、消費者が馴らされてしまった感がある。消費者や酒呑み、いや、自称・酒通たちは、もっと地酒の定義を自らがはっきり持ち、仕込み、酒米などを研究し、酒屋や酒蔵に我侭ではない真っ当な意見を言うことが、信州の地酒を育てると思う。地酒の命は、その土地にしかない「酒米」と「水」なのだ…と、考える今日この頃である。

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2005/02/14

●日本酒 「水尾 純米吟醸無濾過生原酒 紅」

田中屋酒造店(長野県飯山市)

美山錦
精米歩合49%



 水尾の田中屋酒造店について、この日記で書いていると思っていたのだが、どうやらないようだ。雪深い奥信濃の飯山の旧町内に、この酒蔵が佇む。冬は2mをこえる積雪の豪雪地帯で、雪におおわれた蔵の中で酒造りが行われている。造り水は20kmほどさらに北上した水尾山の湧水を使い、飯山杜氏をはじめとする地元の蔵人によって、年間約500石を生産している実直な酒蔵だ。奥信濃の風土の中で、文字通りの地酒が醸されている。
 さて、この「紅」だが、大吟醸と一緒の仕込みで醸された無濾過生原酒で、ふわっとした香り、品があるやや辛口の厚みある呑み応え。一言「旨い」。こだわりの肴で楽しみたい一本だ。昨年、発売早々、手に入れたが、呑み仲間たちにお勧めする「私が保証する一本」にラインナップした。
 ところで、田中屋酒造店のホームページを見ていると、この「紅」が今年の1月21日リニューアル発売とのこと。美山錦から長野県木島平産の金紋錦を100%使用し、華やかな香りと、幅のある味わいを持つ純米吟醸酒に仕上げてあるという。未だ、見たことがない。あの幻の木島平産金紋錦である。実に楽しみな一本だ。手に入り次第、レポートする予定だ。

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2005/02/04

●日本酒 「信濃錦 芳醇大辛口 天墜」

宮島酒店(長野県伊那市)

美山錦
精米歩合55%



 この酒は昨年の10月ごろ入手した。酒通には実に嬉しい存在感ある一本だろう。冷蔵庫に入れチビチビと楽しんでいたが、ついに終わってしまった。また買ってこなければ…。
 生の原酒独特な濃さの中にフレッシュさが残る風味、そして、しっかりした米の旨みと、驚くほどの切れの良い呑み口に感動。旨みが口中にパッと広がり、スルッと喉を伝わり、スーッと切れて自然とまた手が伸びてしまう。心地よい切れのよさに、いい意味の古風さを感じてしまった。

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2005/02/03

●日本酒 「水尾 辛口純米酒 一味」

田中屋酒造店(長野県飯山市)

麹酒米 美山錦 精米歩合59%
掛米 山田錦 精米歩合70%



 我がアトリエには酒専用の冷蔵庫がある。というよりもフィルムと電池専用だったのだがここ数年は酒が大半を占めている。ドア側のポケットにビールと気に入った4合ビンの酒が4本ほどドンと座り、チビチビと楽しんでいる。
 昨年の10月ごろ購入したのだが、なぜか冷蔵庫で眠っていた。さっぱりとした味わいの中にほのかな香りがあり、軽快でありながらコクもある。ヒヤでも熱燗でも楽しめ、様々な肴に対応できる守備範囲の広い酒だ。
 既に、リニューアルされ、掛米の山田錦がしらかば錦に変更。ラベルも新しくなり、背景には落ち着いた黄緑の筆で山の稜線が描かれ、中央に「水尾」と大きく配し、「一味」は左側に小さく書かれている。新しい一味はまだ呑んでいないので、近々、試してみようと思っている。

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2005/01/26

●日本酒 「夜明け前 特別本醸造 辰の吟」

小野酒造店(長野県上伊那郡辰野町)

山田錦100%
精米歩合60%




 この「辰の吟」は、小野酒造の看板商品、「生一本」と並ぶ搾りたてで、栓を開けたとたんフルーティーでありながらも、「あなたはんは、お酒がお分かりどすかぁ?」と聞こえてきそうな、品のある香りが立つ。陶芸家・奈良千秋氏の白磁の片口に注ぐといい色が浮かび上がる。江戸後期の瀬戸のぐい呑みに注ぎ、口に運ぶ。搾りたてというとパンチを求めてしまう。が、そんな子供じみた酒ではないことは、香りが既に我輩に伝えている。
 口当たりはやさしい。しかし、のど越しはスッとしていて、米の旨みが心地よい厚さで、バランスよく再現されている。スイスイ胃の腑に入るのだが、気構えてしまう酒なのだ。なんというか、切れのいい眼差しで、凛とした着こなしの和服姿の女性が現れ、こちらを見つめているような…。
 この酒のもう一つのよいところは、コストパフォーマンスが素晴らしいことだ。

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2005/01/23

●日本酒 「翠露 美山錦 しぼりたて直汲み生原酒」

舞姫酒造(長野県諏訪市)

美山錦
精米歩合49%



 昨年、11月の新蕎麦ワークショップ懇親会で呑んだ酒で、実に旨い。いまだにチビチビ呑んでいる。サンプルとはいえ、本当にいい酒を持ってきてもらった。
 蔵元限定1,000本で、ある酒店では既に一升瓶は売り切れとのこと。しぼりたてを直汲みした一升瓶の栓を抜くと、ピチッピチッな新酒香が濃厚にフワァーっと辺り一面に広がる。生まれたまんまの酒そのもので、少々、ビックリする。口に含むと、はちきれんばかりの凝縮された米の旨味が口の中に一瞬にして広がる。分厚さがあるので男性的かと思うと、一口呑むごとに、濃厚な旨さの中に女性的なフルーティーさや繊細な奥行きが感じられ、虜になる。あどけなさが残る元気ピチピチの少女なのに、妖艶な横顔を持つというか…。いかん、酔っ払ってしまった。

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2005/01/13

●日本酒 「帰山 参番 純米吟醸 古酒1996年」

千曲錦酒造(長野県佐久市)

美山錦
精米歩合55%



 昨今、日本酒の古酒がプチ・ブームのようで、私のような古くからの古酒ファンには嬉しい環境だ。
 さて、この酒は2004/12/15の「参番 純米吟醸 古酒1998年」のベースとなったものだ。
 白磁の片口に注ぐと落ち着いた黄金色で、奥行きのある香りが立ち上がり、1998年より品があるようだ。確かに円熟した濃厚な味わいなのだが、酸味に品があり、きれいな味で、キレもいい。熟成臭やべたつき、甘味の増幅が少なく、熟成前の酒が如何にバランスの良いものだったかが理解できる古酒で、シェリーや紹興酒をイメージしない。本来の「日本酒のオールド(古酒)」という感じか。実に旨かった。

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2004/12/15

●日本酒 「翠露 特醸 あらごし活性にごり酒」(季節限定販売)

舞姫酒造(長野県諏訪市)

しらかば錦100%
精米歩合59%



 この酒は造りは特別本醸造、インターネットには「辛口の活性にごり」とあったが、炭酸ガスの強さがより辛口にしていると思われる。確か、昨年、栓に穴があったが今シーズンは無く、一般の翠露と同じものを使っている。経費削減だろうか…。
 さて、味はというと、さすが「翠露」とひざを打つ。酵母の生きが良いというか、舌への刺激が素晴らしい。また、モロミにはツブツブ感が残っていて、米をダイレクトにイメージできる。濃淳でありながら何故かさっぱりした活性にごり。少々、カルチャーショック…旨い酒だった。

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2005/01/11

●日本酒 「夜明け前 生酒 にごり」(季節限定販売)

小野酒造店(長野県上伊那郡辰野町)

麹米・美山錦100%
精米歩合59〜65%



 日本酒の冬の楽しみに「活性にごり」の出荷がある。10年ほど前までは、未完成の粗雑な酒というイメージがあったらしい。私は結構好きで、この季節、出張で各地を訪ねると"活性にごり"だけを探していた時期がある。モロミそのものを味わえ、酵母が発する炭酸ガスの刺激が好きで、アルコール度がちょっと高めだ。冬の酒の肴の漬物や白身魚にピッタリで、何よりスルスルと呑めてしまう魔性も潜んでいる酒なのだ。12月から3月ごろまで手に入り、ほとんどの場合、ビンの栓にはガス抜きの穴が開いている。
 ところで、活性にごりを呑むにはお作法がある。まず、上澄み部分を先に呑み酒の基本的なレベルを判断する。全体のイメージが分かったら栓をして、ビンを数回、ゆっくりと上下反転しオリを混ぜる。酵母が活発なら炭酸ガスがより多く発生し、モロミの旨みとともに甘さを抑え、よりバランスのいい酒となるはずだ。
 さて、この「夜明け前 生酒 にごり」は、長野県産美山錦を100%使用した普通酒で、酵母が生きていることがよく分かる。濃淳でどちらかというと甘口だが、口に含むと炭酸ガスの刺激が心地よく、舌にモロミがフワッとからみつき何ともいえぬ旨さである。

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2004/12/15

●日本酒 「帰山 参番 純米吟醸 古酒1998年」

千曲錦酒造(長野県佐久市)

美山錦
精米歩合55%



 新蕎麦ワークショップの懇親会に用意した酒だ。以前から古酒を好んで呑み探してきたが、2004/05/28の「麗人純米・三年熟成」以来の酒である。
 私のイメージでは、帰山は少々甘味系のよくできた昔ながらの酒という感じだったが、2004/06/03の「帰山・番外 超辛純米生酒」を呑み、かなり見直した銘柄だ。その帰山の参番・純米吟醸をビン取り貯蔵し、蔵元で6年間熟成させた古酒という。
 古酒ファンとして頭の中に様々なイメージが広がる。甘味系の6年ものだからシェリーか、はたまた紹興酒のようだろうか…、酸味はどんな塩梅なのだろうか…これは呑まなければならない。
 白磁の片口に注ぐとなかなかの黄金色。香りも熟成臭がほのかに漂っている。新蕎麦ワークショップの懇親会に参加した面々は、古酒がめずらしかったようだ。が、S藤氏、K沢女史、K納女史などが「ほほーぅ。旨いね」と反応する。特にK沢女史が古酒に目覚めたようだ。
 濃厚なコクで円熟した味わいの中に、キレの良い爽やかでライムのような酸味があり、古酒というよりも、霧の向こう側に品のいい紹興酒をイメージする酒であった。

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2004/12/14

●日本酒 「臥龍梅 純米吟醸 無濾過原酒」

三和酒造(静岡県清水市)

兵庫県産山田錦
精米歩合55%




 新蕎麦ワークショップの懇親会に参加した某TV局グループカンパニー・イベントプロモーター・N村一也氏の差し入れ酒である。旨い酒をありがとう。
 静岡県清水市を流れる興津川は、清らかな流れと鮎の美味しさで名高く、古くから水の綺麗な土地として知られてきた。周辺は東海随一の景勝地で、興津川西岸の海沿いには三保松原から遠く駿河湾を望む古刹・清見寺が佇む。開山を万葉の昔に遡る清見寺の庭の一隅で、寒さなお残る2月下旬、寒気をものともせずひときわ凛とした風情で花を咲かせる梅の古木「臥龍梅」。徳川家康公お手植えと伝えられ、さながら龍が臥したような見事な枝振りから命名された梅で、この梅の馥郁たる香りとその枝振りの力にあやかって「臥龍梅」と名付けられた。
 臥龍梅では本醸造・純米酒まですべて600キロ仕込みで手間隙をかけて丁寧に醸されている。600キロ仕込みとは、全国新酒品評会などに出品される殆どの真精大吟醸の造りで、高い技術と手間が必要となる。実に旨い酒なのだがコストパフォーマンスが高い。ワンランク上の酒と同様な味わいが低価格で手に入れることができる。
 無濾過原酒なのだがスッキリとした酸味の効いた味わいの中に、米の柔らかい旨みが乗って、何ともいえぬバランスがあり、スイスイと胃の腑に落ちていく。

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2004/11/20

●日本酒 「大雪渓 純米吟醸」

大雪渓酒造(長野県北安曇郡池田町)

美山錦
精米歩合55%



M月一宏氏と長女の梨央(りお)ちゃん。
塩尻のM月邸にて


 この酒も塩尻市の呑み仲間、M月一宏氏のお宅で頂いた。
 大雪渓酒造は、北アルプスの麓という自然に恵まれた環境の池田町に、明治31年創業。「大雪渓」という名は、美しく連なる白馬連峰の大雪渓を指し、大自然への畏敬の念を込めてつけられたという。
 北アルプスの伏流水を井戸で汲み上げ、信州安曇野産・美山錦米使用した、米本来の穏やかな香り、旨味、酸味のバランスがいい。常温で楽しんだが、まろやかな味わいが特徴で、さわやかな純米吟醸酒といえるだろう。

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2004/11/17

●日本酒 「白馬錦 雪どけ吟醸」

薄井商店(長野県大町市)

美山錦
精米歩合49%

M月一宏氏と長女の梨央(りお)ちゃん。
塩尻のM月邸にて


 今月の頭、塩尻市の呑み仲間のM月一宏氏から、ご子息の琉楠(るな)君の七五三の撮影を頼まれ、一泊でご招待された。M月一宏氏一家とは、既に8年のお付き合いである。私が信州に帰ってきて、最初に出会った呑み仲間だ。地元大手OA機器ディーラーの松本支社サービス部係長で、引越しでアトリエがゴタゴタしているときにOAの面倒を見ていただいた。初対面でビールを飲み干し意気投合したのは、M月氏が男気のある職人気質だったからだろう。奥方の直美女史も素敵な方だ。私が使う赤いライカを見て、以前から興味を持っていたアンティーク・カメラ道に入門し、その指南役を引き受け、私の弟子なのである。長女の梨央(りお)ちゃんの七五三の撮影など、気がつけばM月家のお抱え写真師…。お互い充実したひと時となる呑み相手なのである。
 当日は晩秋のやわらかい光が降り注ぐ日和。松本の四柱神社でM月一宏氏一家と、M月氏のご両親と妹ご一家、直美女史の母上とが集合し、笑顔あふれる記念撮影となり、南松本の中華レストランでの会食に舌鼓の後、塩尻のM月邸へ。M月氏の郷里は大町市で、この酒はM月氏の父上から「祝いの酒宴に…」と、差し入れられたものだ。
 大町市の薄井商店は明治39年創業。酒蔵から北アルプスの雄大な白馬岳が望める。小谷杜氏が醸す、安曇平の良質米と北アルプスの湧き水を生かした酒は、すっきりタイプのやや辛口で、品のあるおだやかな米の旨みを堪能できる。その名のとおり雪どけを思わせる喉越。昔ながらの呑み飽きない酒だ。今ではどの酒蔵でもやっているが、平成11年2月から季節ごとに変わる特別純米酒を出荷し、2月にあらばしり生酒、6月は雪中埋蔵冷酒、ひやおろし生詰酒は9月、11月には旨口仕上げ秘蔵酒があるという。

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2004/11/09

●日本酒 「真澄 純米酒 奥伝寒造り」

宮坂酒造(長野県諏訪市)

美山錦80%ひとごこち20%
精米歩合60%


 西日本に住んでいた頃、地酒の置いてある居酒屋で信州の酒というと、たいていこの真澄が登場した。ある意味、長野県を代表する酒蔵であろう。
 創業は1662年。諏訪大社のご宝物「真澄の鏡」を酒名に冠し、醸造しつづける歴史ある酒蔵で、昨今では外国にも進出している。また、協会酵母に認定された「7号酵母」の生みの酒蔵としても有名である。
 オーソドックスな純米酒だが、山国の酒という感じで、コク、重み、味の複雑さが良く、芳醇タイプといえる。少々、香りが弱いが熱燗にすると問題なく、旨い酒になる。呑み飽きない味わいだ。

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2004/11/09

●日本酒 「王紋 純米酒 杜氏の華」

市島酒造(新潟県新発田市)

五百万石
精米歩合60%


 この酒も呑み仲間の真田町振興公社プロパーH場氏へ届いたものだ。市島酒造は日本初の女性杜氏が誕生した蔵として話題になった。創業200余年の歴史を持ち、昭和初期、四代目が欧州に留学した際に王室の紋章に魅せられ、「王紋」という銘柄をつくり今日に至っている。現在も女性杜氏1名、そして蔵人として3名の女性が活躍中という。
 口に運ぶとまず純米酒特有のコクと甘みを感じ、次第に適度な酸味へと変化する。すっきりしたタイプの酒だが、微妙な膨らみと奥行きがあり、柳腰の酒といえるだろう。ぬる燗のほうが美味しいのではないか…。洋食や中華などに合わせるとスイスイと呑んでしまう酒だろう。

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2004/10/28

●日本酒 「美少年 吟造り純米」

美少年酒造(熊本県城南町)

れいほう
精米歩合58%



 この酒は、我がアトリエを別荘と称し、よく呑みにくる仲間・真田町振興公社プロパーのH場氏へ捧ぐと、アトリエに届いたものだ。H場氏に事情を聞く。すると、先月、台風の最中、決行された長野市松代町の「真田祭」に真田町の特産・物産の出店をしたという。その際、長野のフリーライターK沢女史が「お酒持って陣中見舞いにいく」との約束をH場氏としていたらしい。ところがうっかり忘れて現れず仕舞いで、そのペナルティーに送ってきたという。
 さて、H場氏と美少年を酌み交わした。この酒は20年ほど前の第一次日本酒ブームで、列島最西端の酒蔵ともてはやされた。その頃に比べると格段に酒質が向上している。阿蘇山系の伏流水を仕込み水に、低温発酵によって醸しあげたこの酒は、美少年の名のごとくスッキリとした軽い喉越しだ。キメが細かく調和のとれた優しいコクがある純米吟醸酒は、柳腰の酒というかオカマの男へと成長する少年時代という感じか…。
 ところで、この他に数銘柄を楽しんだH場氏との酒宴の数日後のお笑いである。K沢女史に「感謝感謝。恵まれない二人の美少年に再びあいの手をさしのべていただきたく…」と、H場氏からメールが届いたそうな…。
 それにしても…。たしかにH場氏は、我がアトリエの常連ではある。しかし、ここを介在に、このような酒のやり取りがあるということは、私の仲間たちが勝手に「別荘」や「呑み屋」と認識しつつあるという証拠…。困ったものである。

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2004/10/08

●日本酒 「越乃麗雪 吟醸」

白龍酒造(新潟県阿賀野市)

五百万石
精米歩合55%



 この酒もスーパーS友・長野松岡店のワゴンセールで手に入れた。30%引きで1070円。
 白龍酒造の創業は天保10年(1839)、北前船の廻船問屋を営む本家から分家し、酒造を始めた。海の安全を守る海神様としてまつられる白い龍にちなんで「白龍」と名付けられたという。
 ラベルには「越後杜氏が厳寒に伏流水を使って醸した吟醸酒。 越後に降る麗しい雪を想わせるスッキリとした辛口の味わい、芳醇な香り、そして喉越しの良さを特徴としている」とあったが、香りは芳醇というよりは"ほんのり"、軽快でなめらか過ぎる味わいは辛口とはいえない。
 インターネットで調べていると、赤麹から「赤い酒」、さらに日本海の幸のふぐやいかの風味を酒に取り入れた「ふぐひれ酒」、「佐渡のいか酒」などを販売しているとのこと。思わず目が点…となり、ただ笑うしかなかった。
 昨今、このような酒蔵によく出会う。醸す側の”勝手な発想”と呑む側の”酒の文化”が区分できず、商品の”目新しさ”のみに傾倒してしまい、結果、”際物”を造っているという自覚がない。商品企画担当者の”正しき文化史を把握する力”の貧困さに呆れ返る。

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2004/09/24

●日本酒 「八海山 本醸造」

八海醸造(新潟県南魚沼郡六日町)

五百万石
精米歩合55%




 1980年代初頭の第一次日本酒ブーム(私なりの定義)において、メジャーな酒になったので、よくご存知だろう。越後三山と呼ばれる八海山、中ノ岳、越後駒ケ岳の一峰「八海山」から取った酒名で、新潟の魚沼にて厳選された水、米を使い、こだわりの日本酒を造り続ける蔵元だ。が、昨今の第2次日本酒ブームでは、既に古い酒にカテゴライズされるのではないか。
 バブルで湧いていたときに、この酒を覚えた団塊世代から絶大なる人気がある。たしかに、香りは控えめでキレのある辛口ながら、口当たりはまろやか。それなりに、ふくよかで柔らかな味わい…。呑みあきないが、この酒以上に旨い酒は、今日では沢山ある。
 面白いことに、この酒もスーパーS友・長野松岡店のワゴンセールに上るのである。30%引きでないと買う気はしないが、3割引でも1820円。懐かしく思い、ついつい買ってしまった。
 考えてみれば、第一次日本酒ブームがあったから様々な酒蔵が奮起し、昨今の第2次日本酒ブームとなったのである。第一次ブームを担った越乃寒梅などと共に、歴史に記録される酒といえるかもしれない。

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2004/09/24

●日本酒 「生正味原酒 辛口桂正宗 昔酒」

千野酒造場(長野県長野市)

米 不明(一般米と思われる)
精米歩合 不明





 九月に入る楽しみの一つに、ワゴンセールが行われることだ。この酒を含め3本ほど見つけてきたので、晩酌日記で報告する。
 さて、この酒を醸す千野酒造場は、全国新酒鑑評会金賞受賞酒を醸すことで有名だ。長野市において460年余りの歴史を持ち、昔ながらの酒蔵である。地元のお酒として認められてはいるだろうが、正直言って私はあまり買うことがない。
 写真を見ればお分かりだろうが、スーパーS友・長野松岡店のワゴンセールで30%引きで売られていた。700円程度なら買ってもいいかと思い入手。
 裏のラベルを見ると「飲み方の例/@お燗や冷で A水割り Bお湯割り Cカンロック(グラス一杯の氷を入れ燗酒を注いで呑む) Dカクテルのベース」。眩暈が襲ってくる。
 たしかに21度で、濃い辛口ではあるが…そりゃないだろう。オリンピックあたりから蔵を移築したり、杜氏を確保するのが大変だったと聞いたことがあるが、これでは5世紀近い歴史が泣くのではないか…と思うのは私だけだろうか。

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2004/09/06

●日本酒 「佐久の花 純米 夏越し純米」

佐久の花酒造(長野県南佐久郡臼田町)

山田錦
精米歩合60%


 九月に入ると季節限定酒の季節である。喜びのあまり、行き付けの宮島酒店に浮き足立って寄るのだ。あるある季節限定酒が。ナスも買ってきたし焼きナスで…酒は何にするか…と、手が伸びたのがこの酒である。
 非常に存在感のある旨味で、香りもいい。喉越し、余韻なども満点だ。日本酒好きには、たまらない1本である。

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2004/08/30

●日本酒 「雪中純米 天領誉」

天領誉酒造(長野県中野市)

美山錦
精米歩合59%


 月刊情報誌KURAの連載「駅前の鞄」の取材で栄村を散策し、新潟県境にある道の駅で手に入れた酒だ。それなりによくできている酒だと思うが…。
 ラベルには「長野県屈指の豪雪地栄村の雪室にて、しぼりたての酒を春まで貯蔵。空気対流0、湿度100%、気温0度の雪室に貯蔵することで、成熟が均一に進み、純米酒の持つ繊細で優雅な味わいを持つ酒に仕上げた」とあった。その昔、北国の有名造り酒屋がこの手法でヒット作を出したのを思い出した…が、そのコピーか?

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2004/08/30

●日本酒 「原酒 秋山郷」

志賀泉酒造(長野県中野市)

美山錦?
精米歩合59%?


 この酒も栄村の道の駅で手に入れた。昔ながらの普通の酒だが、なかなかバランスのいい酒だ。インターネットで調べても、この酒の素性が分からない。とりあえず、志賀泉酒造の観光銘柄であることには間違いない。米と精米歩合については、志賀泉酒造の原酒を参考にしている。今後、追跡調査をしてみたい。
 ところで、観光銘柄を造っている造り酒屋に物申す。一見さんが相手だからといって、商品の素性を書かないのは如何なものか?もし、消費者がまともな酒と判断したら必ず素性を調べるはずである。そして、その造り酒屋の将来の客になる可能性も否定できない。酒造業界関連の方がこのページを見ているのであれば、一考、願いたい。

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2004/08/22

●日本酒 「特別本醸造 吉田屋治助」

橘倉酒造(長野県南佐久郡臼田町)

美山錦
精米歩合60%



 某誌の「ぬる燗特別本醸造 BEST5」に入った酒として知られている。が、私としては、そこまで騒ぐか…!?と思ってしまった。たしかに、香り、旨味、酸味などのバランスはいいが、騒ぐほどのものではない。何のことはない至って昔ながらの普通の酒であると感じる。日本酒がブームになってから吟醸や大吟醸だの、原酒や生酒の流行で、燗酒が遠い存在になっていただけであり、このレベルの酒は、探せばいくらでもあるような気がする。

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2004/08/15

●日本酒 「花酵母酒」

福源酒造(長野県北安曇郡池田町)

ひとごこち
精米歩合59%



 東京農大開発バラ酵母を使った酒として、一時期、話題を呼んだ。ラベルには、ツルバラより生まれた花酵母で醸した、バラの花びらが口の中で開くような素晴らしい広がりをみせる酒――とあった。
 不思議だ。なぜなら、福源酒造は真っ当な酒を醸す酒蔵と認識していたからだ。と言いながらも、ついつい買ってしまった。口にした第一印象は、切れがよく、米の旨味もそこそこ乗っているということ。心配していたガムのような香りはせず、ほどほどの香りが後から付いてくる感じだった。思ったより際物でなかったのである。しかしながら、温まり始めると、しっかりした米の風味と洋風の甘い香りが口の中で空中分解する。
 呑んだ後に、何故、実力があるはずの酒蔵が花酵母を使ったのか…と訝しく思ってしまった。東京農大卒という若いスタッフの企画であると推測できるが…。
 ところで、日本酒ブームも影を潜め、ここのところ焼酎にスポットライトが当たっている。そんな中、日本酒業界は何をやっているかというと、珍しい酵母を探し出すことが一つのブームになっているようだ。精米歩合、米の種類と栽培方法、様々な醸造方法など手が尽きたのか…。今度は大学や研究機関と連携し酵母探しらしい…どこまでやれば気が済むのか?

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2004/08/10

●日本酒 「福無量・熟成大吟醸 金乃秘蔵酒」

発売元・地酒屋 宮島酒店(長野県真田町)
醸造元・沓掛酒造(長野県上田市)

山田錦
精米歩合35%



 「福無量」は長野県上田市の沓掛酒造の醸す酒である。甘い田舎酒というイメージが頭をもたげてくるが、全国新酒鑑評会では金賞受賞の常連蔵で、新酒鑑評会用に醸す酒は実に良くできている。というより、全く別物なのであろう。そういう意味では、須坂市にある遠藤酒造場の「渓流」と似ているかもしれない。いずれにせよ、実力のある蔵ということだ。
 非常に本格的な酒で、本当に大吟醸なのか…という豊かな香りと、熟成によるふくよかでふくらみのある旨みと味わいは、なかなか素晴らしい。これ以上、熟成させてはいけない…と直感してしまう酒だ。それにしても、ここまでの酒を造るのなら何故一般酒があのレベルなのか?と、感じてしまうのは私だけか…。

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2004/08/08

●日本酒 「菊秀・純米酒」

橘倉酒造(長野県南佐久郡臼田町)

ナガノホマレ
精米歩合65%




 佐久地方の老舗・橘倉酒造は、創業年が記録に残っていないというが、江戸元禄年間の初期、延宝5年(1675年)の古文書に記され、3世紀以上の歴史を有する蔵元である。屋号の「橘倉」は、先祖が平安時代には橘姓だったことから、橘の酒倉の意味に由来しているという。
 契約栽培した地元臼田産の有機米「ナガノホマレ」を使い、昔ながらの手法で醸しだしたこの酒は、日本酒本来の姿を追及した純米酒といえ、若者好みというより我々から上の世代の酒であろう…。常温とぬる燗で呑んでみたが、この酒の持つバランスのいい旨さを引き出すには「ぬる燗」が最適だ。

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2004/08/02

●日本酒 「菊水・ふなぐち・一番しぼり」

菊水酒造(新潟県新発田市)

麹米 五百万石 精米歩合70%
掛米 うるち米 精米歩合68%


 地酒ブームの初期、生酒ブームの火付け役となったのがこの「菊水ふな口」だ。ご存知の方も多いと思う。菊水は新潟県で造石数が四万石にまで及ぶ大手で、朝日山に次いでいる。我が県においても、その昔からCMが流れ、そのイメージは大衆酒といえるだろう。にごり酒の「五郎八」が糖類添加なのは有名で、やはり大衆酒路線から脱していないというべきか…。
 「ふな口」の成功で規模を拡大したことは有名だか、「久保田」の大成功によるイメージ戦略の転換を果たした朝日山とは一線を画し、保守的に品質重視と地道な営業努力で朝日山に追随しているという。
 ところで、アルミのワンカップという安酒の姿が記憶に残っているためか…この瓶はお洒落すぎる。しかも、ガラスの品質も高く肉厚で上質な瓶は似合わない。ここまで上品な洒だったのかと、首を傾げてしまう。まぁ、「甘口」という言葉から、「旨口」というジャンルを作ったから、それなりにエポック的一本と言えるだろう。

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2004/07/24

●日本酒 「天法・しぼりたて生原酒」

天法酒造(長野県千曲市)

美山錦
精米歩合59%



 天法は晩酌日記で3回目の紹介だろうか…。この酒は優れたバランスで"きれいな酒"をイメージする。が、原酒ならではの重厚感があり、しかもしぼりたてのフレッシュな感覚で、米の旨みがしっかりと伝わってくる呑み飽きしない酒だ。少々、高目のアルコール度数なのだが、スイスイと胃の腑の中に落ちていく。原酒の荒々しさというより、優しく包み込んでくれるような酒に仕上がっている。
 説明が不要なほど旨い酒で、値段も1200円一寸と大変魅力的だ。

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2004/07/23

●日本酒 「米川・純米吟醸」

高澤酒造(長野県上高井郡小布施町)

麹・酒母米 山田錦 39%
掛米 美山錦 49%



 高澤酒造は、栗の町・小布施の南部に明治35年創業の造り酒屋だ。銘柄の米川の由来は「米を醸して酒となり、やがて川となって流れ出す」という意味を持つという。
 呑み仲間のH氏が買ってきた酒で、純米吟醸とはいうもののインターネットで調べると商品カテゴリーは「純米大吟醸」とあった。
 香りはおとなしく、口に含むと米の旨みなどがあまり伝わってこない。喉越も特徴がなく、後味がすっきりしない。なぜか甘味が舌にまつわりつくのである。ワインクーラーで冷やしてみても味に変化はなかった。この一本では判断が付かないので、原酒を呑んでみたい。

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2004/07/12

●日本酒 「亀齢・吟醸生貯蔵酒」

岡崎酒造(長野県上田市)

長野県美山錦
精米歩合59%


 この吟醸生貯蔵酒はアルコール度数13〜14度と少々低目に造られている。なめらかな飲み口で、さらりと飲みやすく、洒落ではないが"きれいな味"である。肴を選ばない、バランスのいい酒で、美味い蕎麦を食べているときにピッタリという感じだ。きりりと冷やして呑んでいる。
 ちなみに、岡崎酒造は再来年に創業300周年を迎える。5年ほど前、岡崎家の三女が後継者として杜氏の修行を始めたというニュースが話題を呼んだ。若い発想による創業300周年の企画商品を期待したい。

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2004/07/12

●日本酒 「純米酒 てんから 新美山錦」

千曲錦酒造(長野県佐久市)

新美山錦(ひとごこち)
精米歩合60%


 「てんから」がリニューアルされた。一昨年、日本酒が醸し出す「てんねん」の旨みと、キレのある「からくち」から作り出した命名で、日本古来の毛鉤釣りの方法「てんから」という意味合いを込め、この酒が出てきた。日本のてんからと、イギリスで生まれた西洋毛鉤釣りのフライフィッシングは、世界の中でも歴史ある釣り方として有名である。難しい釣り方で、歴史や文化に造詣の深い趣味人が好む。たいていはグルメたちだ。然るに「通な人たちが選ぶ伝統的な酒」といいたいのであろう。
 「てんから・九號」と「てんから・十四號」の2本立てで、信州産「美山錦」を59%まで精米し、前者は協会9号酵母仕込み(ほんのりと華やかな香りで、すっきりした辛口。日本酒度+3前後)、後者は協会14号酵母[金沢酵母]仕込み(穏やかな香りと幅のある味わいが特徴の1年熟成の原酒。日本酒度+2前後)であった。両者とも端麗辛口タイプだったが、日本酒度の高い「てんから・九號」の方が私の好みだった。
 今回のリニューアルは、明らかに「別ものになった」というしかない。端麗辛口系の酒が、旨み追求の酒になったのである。帰山の対極にあった酒だったはずだ。何故なのか分からんが開発コンセプトを大転換させている。市場において九號と十四號をテストマーケティングした感があり、結果、別ものを造り出すという…、少々、怒りたくなる開発経緯だ。
 味はというと、辛口ですっきりとした飲み口なのに、米の旨みがしっかり乗っている。ぬる燗だったらなおさら旨くなるだろう。米が新美山錦になり、透明な瓶から色付き瓶へ変更していることから、新「てんから」はこの形でレギュラーの酒となるのであろう。それにしても、信州産酒造好適米「新美山錦(ひとごこち)」の米の風味と旨みが素晴らしい。協会9号酵母仕込みで、仕込みをそんなに変更していないとすると、「新美山錦」の実力からなのか…日本酒度+6前後と倍増している。
 ところで、裏のラベルを見ていてビックリ仰天。
 骨酒を知らないものが書いたのであろう…「川魚の様々な料理と一緒にお楽しみ下さい。魚の骨酒も乙なものです」とあった。たしかに、岩魚や山女の骨酒は乙なものだ。が、酒文化の中では特殊な呑み方で、ある意味、際物なのである。特徴のない普通の酒で骨酒にするから岩魚や山女の旨みが引き出され、渓流の幸の香りが楽しめるのだ。こんなに旨い純米酒で骨酒を勧めるということは、この酒は紙パックの普通酒レベルと同じである…と、宣言しているに等しい。早く改めるべきだ。

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